土地

【現況測量】


現況測量とは、現地の工作物や既存境界杭をありのまま測って面積を求める測量手法です。

トータルステーション

隣接所有者との境界立会や承諾の押印は行わないため境界確認図は作成せず、代わりに現況実測図を作成します。

現地に既存の境界杭がない場合は、依頼者様に指定して頂いたポイント(例:ブロック塀の角など)を測量して面積を算出いたします。

成果品である図面には「 隣接所有者との境界立会いは未了である 」旨の注釈が入りますが、筆界を確認する複雑な工程がないため、費用と期間は抑えることができます。

着手から一週間程度で図面完成に至りますので、おおよその面積を知りたい場合に向いています。面積に加えて、敷地の高低差を測量することも可能です。

現況測量をもって境界は確定しませんので、分筆など登記申請の際は、あらためて隣接者との境界立会をともなう筆界確認協議が必要となることがあります。

【地目変更】

地目変更

たとえば実家の建物と土地を相続したとしましょう。

もう誰も住む人がいないとなった時、管理の手間や税金を心配するくらいなら売却してしまおうと考えるかも知れません。
土地に思い入れがあり手放したくない!となった場合は、更地にして月極や時間貸しの駐車場として賃料を得るのも、需要のある都市部では有効です。土地の利用目的が「宅地」から「駐車場」に変わりますので、法務局に「地目変更登記」を申請する義務が発生します。駐車場の地目は「雑種地」となります。

また、たとえばかつて畑として利用していた土地があるとします。

誰も管理せずしばらく放っておいたために雑草も伸びて荒れ放題です。
この先使う予定もないので売却したい、一般の人が購入して家を建てたい、と考えたところで畑は農地法の制限があるためそのままでは売買できません。
農地以外の地目に変更すれば売却が叶いますが、通常は農地転用の手続が必要です。市街化調整区域内は都市化を抑制して農業環境を守るべき地域とされているので転用の許可を得るのは難しいですが、市街化区域内であれば農業委員会に届出をするだけで転用できますし、過去に届出した経緯がある場合など委員会との協議次第では届出さえ不要となる場合もあります。

地目 原野

地目変更登記を申請する際は、実際に土地が目的通りに利用されていることが条件です。宅地にするならば近い将来住宅が建つという確実な見込みがなければいけないので、最低でも建築確認申請と水道の引込工事くらいは済ませていてほしいし、駐車場にするならば砂利敷に虎ロープでもいいので区画して実際に数台駐車していてほしいところです。

中途半端な利用状態で困る例としては、放置された農地を「原野」に地目変更する場合です。
多少の荒れ具合では単なる耕作放棄地に過ぎず、少しの手間で耕作可能な状態に回復できるからです。登記申請したとしても、中間地目と判断され却下事由となりかねません。
原野と認定するからには少なくとも低灌木が生い茂っている状態が好ましいですね。

【官地の払下げ】

法定外公共物や旧法定外公共物と呼ばれる官有地は、民間で払下げできる場合があります。

国有財産売買契約書 払下げ旧法定外公共物に関する機能証明

法定外公共物には通路や水路がありますが、公共物としての役割を現状で果たしていないものについては、隣接もしくは現に占有している所有者が他の隣接者の承諾を得て売払い申請ができます。
通路ならば不特定多数の人が通行していないこと、水路なら近隣の排水に利用されていなこと等が具体的な条件です。

法定外公共物は元々国で管理していましたが、地方分権の一環として国有財産特措法の改正により機能のあるものは市町村に順次譲与され、平成17年までに譲与されなかったものは機能がないものとして一括用途廃止され、国有地(旧法定外公共物)として残りました。

旧法定外公共物は未利用地の普通財産として売払い対象です。
市町村より公共物としての機能がなく特措法による譲与を受けていない旨の証明を取得し、境界確定協議の後、財務省と売買契約を交わして土地代金を支払います。その後、買受人を申請人とする土地表題登記と所有権保存登記を申請して手続完了です。

用途廃止通知

 

一方、法定外公共物は公共物として機能があるものとされていますので、売払いの対象となるかを予め市町村の管理担当部署に確認後、用途廃止の手続を市町村に申請します。

境界確定協議を済ませ普通財産売払いの申請をして、土地代金を納付したら市町村による嘱託登記を経て、買受人への所有権移転登記がなされます。
市町村によっては買受人自らが表題登記と所有権保存登記をするところもあるようです。

いずれの払下げ手続も、業務受託から完了まで最短でも三ヵ月以上はかかるものとご承知おきください。