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例1:相続した土地を売却したいが、境界がわからない!
令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続してから正当な理由なく3年以内に相続登記しないで放置しておくと十万円以下の過料が科せられます。

この「相続してから」は「自分が相続人であることを知った日から」という意味です。
通常は被相続人(親など)が亡くなった日ですが、一度もあったことのない縁遠い親戚の相続人となっているケースでは、亡くなってから相当の時間が経過して初めて自分が相続人であることを知る場合も考えられますので、一概に死亡日から相続が起算されるとは限りません。
令和6年3月31日以前に相続が開始している方は、令和6年4月1日から3年の猶予期間が与えられます。
進学や就職・転職による地方から都市部への人口流出は歯止めが効かない状況です。生活の地盤が定まり、故郷の実家に戻る選択肢はもはやないという方は、これからも増加の一途を辿ると言われています。
家族や親類が亡くなって遠方の不動産を相続したものの、住人もおらず土地と家屋を管理しながら税金を払い続けることは、相続人にとって過重な負担です。思い切って誰かに貸したり、売却することも不動産を有効活用する上での選択肢です。
近年、郊外の広めの耕作放棄地や遊休地が、太陽光発電の用途に供されている風景も珍しくなくなりましたが、住宅用地としての需要が見込みづらい地域における未利用地の活用例のひとつです。
土地を売却する際は、境界があいまいな状態ではお隣さんとの境界トラブルが起こる可能性があるため、買い手に敬遠されやすいなどで取引に支障が出るケースがあります。
加えて、境界が分からないと正確な土地の面積も分かりませんので、実測売買を予定している場合は売却価格も決められません。
以上の理由から、不動産仲介業者の立場として境界が不明な土地を安易に仲介することもできないので、土地の正確な面積を測るため境界確認を必要とすることがあります。

「土地家屋調査士」は境界の専門家です。役所や登記所の新旧資料調査や現地測量をもとに筆界を調査・探索して、隣接者同士の境界認識の一致を確認し、将来の境界紛争を未然に防ぐことを目的としています。
→境界確認とは?立ち合いとは?
→筆界確認業務の費用と作業期間の目安はこちら
→境界確認の業務の流れはこちら
例2:空き家を放っておいたら固定資産税が数倍に!?
○改正空き家特措法
令和5年12月13日に施行された『空家等対策の推進に関する特別措置法の一部をする法律』(以下、改正空き家特措法)をご存知でしょうか?
実家で一人暮らししていた親が施設に入ったり、親が亡くなって実家を相続したとき、実家の建物に誰も住まなくなるケースが増えています。
管理する人がいなければ、建物も朽ちて土地も荒れていきます。
「建物の解体費用も馬鹿にならないし、古くなった家でも建っていれば土地の固定資産税の軽減措置もあるので、とりあえず放っておこう」と問題解決を先延ばしにしている方もいるでしょう。
改正空き家特措法では、適切な管理が行われていないと自治体に判断された建物は「管理不全空き家等」に認定され、固定資産税と都市計画税の住宅用地特例による軽減措置の対象外となります。
認定基準の具体例として、はがれかけた屋根や外壁、割れたままの窓、敷地からはみ出した草木、放置されたゴミや不要品、棲みついた動物による悪臭、などが考えられます。
不審者の不法侵入や不審火の恐れもあり、犯罪の温床となる可能性もありますので、自治体が所有者に適切に維持管理するよう指導します。
指導・勧告に応じず、いよいよ建物に倒壊の恐れがあるなど周辺住民に被害が及びそうな危険な状態になったときは、「特定空き家等」に認定され、最終的には行政代執行により取り壊されます。解体撤去費用は所有者に請求されます。
改正空き家特措法によって、居住予定のない空き家をそのまま放置しておくことは、ご近所迷惑になるばかりでなく、税負担が何倍も重くなるので、得することは何一つありません。
対策としては、適宜草取りなどして管理するか、賃貸に出すか、場合によっては管理不全に陥る前に売却するなど考える必要があるでしょう。
売却するなら建物付きで売るのか、更地にして売るのか、売るのがためらわれるなら建物をリフォームして賃貸に出すのも手ですし、近隣の需要があれば駐車場にして収益を得るのもひとつの方法です。
せっかくの財産が負の動産"負動産"とならないように、どのようにするのが最もあなたの負担にならないのか、不動産会社に相談してみましょう。市町村役場でも無料相談会を行っているところがあります。

→建物をリフォームした時の建物表題部変更登記とは?
→建物を取り壊した時の滅失登記とは?
→土地の用途が変わった時にしなければならない地目変更登記とは?
例3:お隣から「境界を立会してくれ」と頼まれたら?

お隣さん(ご本人、あるいは代理人の土地家屋調査士)から「土地の測量をするので後日立会いをして境界を確認して欲しい」と頼まれることがあります。
戸惑いますよね?初めてであれば尚更不安になると思います。
お隣が土地の測量をするには何かしらの事情があります。
売却を計画しているかも知れませんし、遺産分割で分筆する必要があるのかも知れません。また、自宅の建て替えを予定している可能性もあります。
しかし、何のための測量か?と理由を尋ねられても、代理人である我々には守秘義務があり、依頼者の承諾なく何の目的かを詳しくお話しすることは許されません。
土地の境界を確認していただく理由は、例えば土地の売却をする際は土地の売却価格を決めなければならないわけですが、価格を設定するには面積が分からなければなりません。正確な面積を測るには境界が明確でなければなりませんし、境界に杭がなければ新たに設置する必要があります。杭も隣接者の承諾なく勝手に埋設するわけにはいきません。境界とは、隣接する所有者のどちらかが一方的に管理するものではなく、共同で管理すべきものですので、お互いの境界の認識を確認しておく必要があるのです。
現地での境界立会にかかる時間は10~15分程度ですので、境界について認識が一致していればお手間を取らせずに終わります。
お隣同士のよしみで、肩の力を抜いていただいて、和やかな雰囲気でご協力いただければ真に幸いです。
○法的な義務はありますか?
法的に立会う義務があるのか?というお話をします。

【土地基本法】第6条(土地所有者の責務)
第1項 (省略)
第2項 土地の所有者は、(中略)その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化のための措置及び当該土地の所有権の境界の明確化のための措置を適切に講ずるように努めなければならない。
「所有者の責務として土地の境界を明確にするよう努めなければならない」と法律で明文化されてます。
現時点ではあくまでも努力義務規定であり、応じないことへの罰則はありませんが、大切な財産である土地を所有している者の責務として、なにとぞ御協力をお願いいたします。
→こちらに不利な境界にされるのでは!?…公正・中立な立場とは?
→境界立会に応じるメリット・デメリットは?
例4:お隣の木の枝がはみ出してきた?
お隣さん同士で起こりがちなトラブルとして、樹木の越境があります。
日当たりが悪くなることもあれば、自宅敷地に降り積もる落ち葉に悩まされる方もいらっしゃいます。
庭いじりが好きな隣人であればまめに剪定してくれるのでしょうが、住人の高齢化だったり、空き家となっている場合は管理が行き届かず、枝が伸び放題となるケースは増えてきていると感じます。
令和5年の改正民法施行以前は、境界を越えて伸びてきた「根」は自分で切ることが出来ましたが、「枝」は勝手に切ることは許されず、あくまで所有者本人に切ってもらうことしか出来ませんでした。
根に関しては「土地に付合した定着物はその土地の所有者に帰属するという民法上の理論から、越境した部分の根は越境された土地の所有者のものとみなされるため勝手に切っていい」とする考えや、「根が基礎まで伸びてくると建物に損傷を及ぼすおそれがあるため排除の喫緊性がある」とする考えがある一方、枝は「果実が生るから他人が勝手に取ったり傷つけたりしてはいけない」という理由があるのかも知れません。
所有者が適切に対処してくれない場合は、裁判所の判決による強制執行しかなかった上に、どうにか切除したとしても放っておくとまた伸びるのが枝です。枝が越境してくる度に訴えを起こさなければならないとなると、申立人に過分な負担が生じます。
また、竹木の所有者(通常は土地の所有者)が複数いる共有状態であるときは、そのうちの一人が越境した枝を切り取ろうとしても、民法上は共有者全員の承諾を必要としており、例えば共有者が数多くいる場合や、所在不明者がいる場合は庭木を整然と管理することさえままなりませんでした。
そこで、民法改正により、切除をお願いしても所有者が対処してくれないときは、越境した枝を自ら切り取ることが可能となりました。とはいえ、あくまでも「所有者が対応してくれなかった場合」ですので、有無を言わさず切除しても構わない!ということではありません。相手にも事情があるでしょうから、催告の後ある程度の時間的猶予を与える必要があり、通常は二週間程度と言われています。
〇自分で切除するとなった場合の費用は誰が負担するのか?
①本来切除する義務があるのは相手方であり、②土地の所有権を越境で侵害しているのも相手方、という二点を踏まえると、相手方、すなわち越境した竹木の所有者へ請求するのが筋でしょう。
また、竹木が共有の場合は、それぞれの共有者が単独で越境した枝を切除することが出来るようになったことも改正点のひとつです。言い換えれば、共有者ひとりが承諾すれば、越境された土地の所有者が、その共有者に代わって枝を切ることも可能となります。
尚、隣が空地や空き家で、所有者が誰なのか、どこに住んでいるのか不明な場合は、催告をする必要もなく、越境された所有者が自ら枝を切除できるとされました。