○業務受託後の流れをご説明いたします。
・境界確認業務の工程（標準処理期間1ヵ月～）
依頼者様には、事前に境界に関する認識、保管資料の有無、隣接所有者についておたずねいたします。いずれも支障なく作業を進める上で必要なことですので、出来るだけ詳細を伺います。
(1)資料収集…》依頼者や官公庁各所が保有している資料を収集します。
(2)資料分析、隣接所有者探索、測量基準点調査…》取得した資料を分析するとともに、隣接所有者の所在を確認します。測量の基礎となる公共基準点の有無を調査します。
(3)現地事前調査、杭探索、多角点選点、隣接者聴取…》現地に赴いて現況と杭の調査をします。現場に合わせて測量方法を計画します。隣接者への挨拶を兼ねた聞き取り調査も欠かせません。
(4)基準点測量、現地細部測量…》高精度測量器械(トータルステーション)にて測量作業をします。
(5)測量計算、仮図面作成…》持ち帰ったデータをPCのCADソフトで計算・検証し、立会用の仮図面を作成します。
(6)官公庁立会申請、立会日程調整…》接している道路や水路を管理する役所に仮図面とともに立会申請書を提出します。隣接者の都合も伺いながら立会日程を調整します。
(7)仮杭設置、補完測量…》立会のための仮杭を設置します。必要があれば追加で測量します。
(8)境界立会…》現地で境界立会いします。隣接者や役所職員が全員いっしょに立会するのが理想ですが、各々の都合を尊重して別日とすることも可能です。委任状があれば本人の代理で他の方が立ち合うことができます。また、遠方在住で現地に来ることが難しい方は、写真や図面のやりとりで現地立会に替えることもできます。
(9)本杭設置…》異議なく立会いが終われば、速やかに本杭の設置作業に入ります。筆界に関して再検証が必要であれば、再度の立会いを実施します。
(10)境界確認図作成、押印…》本杭設置後、境界確認図を作成し、各所有者から署名・押印を戴きます。
(11)官公庁境界承認申請～受領…》全所有者の署名押印が揃い次第、役所に境界確認図とともに境界承認申請書を提出します。決裁が下りて市町村長印が押印された図面を受領したら、成果品を整理して納品となります。
・境界確認＋分筆や地積更正登記をする場合（標準処理期間1.5ヵ月～）
(12)添付書類作成…》登記申請に必要な申請書、地積測量図、調査報告書、地形図等を作成します。
(13)登記申請～登記完了…》登記申請後、法務局の審査期間があります。通常1～２週間程度で完了です。
(14)成果品納品…》成果品を整理して納品します。成果品＝境界確認図、地積測量図、公図、登記簿謄本
○依頼者様へのお願い
業務を確実かつ迅速に遂行するため、依頼者様には以下の点について出来るだけご協力をお願いしております。
①依頼者様が保有する資料の提供…土地の境界の調査には過去の測量や工事の記録、図面が重要です。
「権利証」など大切な書類といっしょに保管されていることがありますので、今一度ご確認をよろしくお願いいたします。
資料によっては、当方で収集する手間が省けることで、請求金額がお安くなることもありますので、探していただいて損はありません。
②挨拶への同行…筆界確認業務を依頼するにあたっては、遠方在住などの特別な事情がある場合を除いて、隣接所有者様への挨拶に御同行をお願いしております。
境界立会いは神経を尖らせる方がいらっしゃることもあるデリケートな業務ですので、何よりも初動の印象が大切です。面識のない代理人がいきなり訪問するよりは、土地の所有者本人が直接挨拶に伺う方がより誠意が伝わりますので、後々の作業の進み方が確実に違います。
また可能であれば、押印を受領する際にもご同行頂き、立合いにご協力頂いた隣接者様にひとこと謝意を頂ければ尚更気持ち良く完了出来ることは間違いありません。
③中立・公正な立場の尊重…土地家屋調査士は「品位を保持し、公正な立場で誠実に業務を行う」よう土地家屋調査士倫理綱領で定められております。
境界確認は筆界を調査することが目的です。隣接者様と過去にトラブルがあった場合、境界とは関係のないところで感情的になられることもあるかもしれません。事情は気が済むまで伺いますが、あくまでも「境界は境界」のこととして、中立で公正な立場で業務を行います。
また、筆界は当事者同士の合意で決まる性質のものではありませんので、依頼者様のご希望通りの境界とはならない可能性もあります 。あらかじめご理解頂きますようお願いいたします。