境界杭

境界杭はありますか?

境界標

時間があれば、自分の土地の敷地の「境界標識」を探してみましょう。

造成されて間もない分譲地を購入したのであれば、ピカピカの新しい金属プレートや鋲、コンクリート杭があるでしょう。

購入前に境界確認や登記申請された土地であれば、売買契約の際に「境界確認図(または確定測量図 )」や「地積測量図」をいただいていると思います。

権利証といっしょに大事に保管しているかも知れませんので、一度探してみるのもいいでしょう。図面通りの位置に境界杭があるのか確かめておくと安心です。一見して地面に何もなくても、土を掘ると杭があることもあります。

せっかく探したのであれば、ついでに写真を撮って撮影日を記録しておくのも良いかも知れません。

余談ですが僕は杭を探すのが大好きです。
盛土で造成された土地を1m近く穴掘りをして杭を見つけた時などは、お宝を発掘したような気分で苦労が報われる思いです( *´艸)

〇境界杭はなくなることがある

土地家屋調査士キャラクター 地識くん

境界を示す標識には、コンクリートやプラスチックの杭、金属プレート、十字鋲などの種類があります。

境界杭があってもいつ、誰が、どのような経緯で設置したのか、お隣さんも承知の上で設置したか、など杭が古くなればなるほど、代も変わって設置した当時の情報が薄くなるので、図面資料等と照合しながら慎重に調査しなければなりません。
祖父母や親がご健在であれば、念のため今のうちに聞いておくことをおすすめします。

杭の工事による亡失

境界標識を設置する時は、現地の状況に合わせて可能な限り永続性と不動性を考えて設置します。コンクリートやプラスチック製の杭はセメントで根巻処理をしますし、金属プレートはボンド+アンカーボルトの二重施工で容易には移動も亡失もしないようにします。

しかし、外構工事、ブロックや土留の積み替えなど、物理的にやむを得ない事情で移動したり亡失する可能性はあります。

地殻変動による杭亡失

また、近年の気候変動で増えている局地的な豪雨など、予期せぬ天災によって引き起こされる土砂崩れで境界が判らなくこともあります。

特に軟弱な地盤に根巻せずに埋設されたコンクリート杭やプラスチック杭は移動が容易であるため、杭の位置が図面等資料と整合していない場合は、注意が必要です。

土地家屋調査士キャラクター 地識くん

まさかいないとは思いますが、勝手に杭を抜いて自分の都合の良い位置に埋め戻すということもやろうと思えば可能です。

境界杭を損壊、移動もしくは撤去して境界を判らなくした場合は「境界損壊罪」という犯罪になり、五年以下の懲役または五十万円以下の罰金刑に処せられます(刑法第262条の2)

お隣さんや境界が気に入らなくても、今一度冷静になって、杭に当たるのはやめましょう(^^;

境界確定測量をしておくと、元の筆界の位置をミリ単位の座標値として記録するので、もし杭がなくなって境界がわからなくなった場合でも素早く確実に復元が出来ます。